未経験からWebデザイナーになりたいと思った時、単にWebデザイナーを募集している会社に応募しても転職はできません。
未経験者がWebデザイナーとして転職を成功させるには、どのような準備や行動をしていけばよいのか、転職活動の全体の道筋についてまとめました。
転職活動を始める前に
Webデザイナーになると決めてから転職活動を始めるまでにやっておくべきことがあります。
この準備期間が転職の成功への別れ目となるので、しっかりと行動をしていきましょう。
Webデザイン基礎スキルの習得
Webデザインの基本的な知識・スキルを習得しておきます。
未経験者からの応募であれば、制作物のクオリティは多少考慮されるとしても、「Webサイトを作れない」「そもそも知識がない」では全く相手にしてもらえません。
まずは勉強をして、Webサイトを一人で作れるだけのスキルを身につけましょう。
それがWebデザイナーに転職をする上での必須条件です。
なお、Webデザイナーでは学歴や資格といった経歴は重要視されません。
勉強する内容、期間、手順などについては以下の記事で詳しく解説しています。
ポートフォリオの作成
Webデザイナーへの転職活動の必須アイテムと言えば、ポートフォリオです。
どこかの会社に勤めるにも、フリーランスで仕事をするにも、自分の実力を相手に伝えるには、これまでの制作実績を見せないとなりません。
未経験者であれば、実際の仕事で受注した制作物がないかもしれませんが、架空のサイトやスクールの課題で作ったサイトでかまいません。
実際の案件をポートフォリオに加える方法としては、知人・友人のWebサイトを作らせてもらう、クラウドソーシングで受注する、といったやり方もあります。
ポートフォリオの作り方については、別記事で詳しく説明しているので参考にしてみてください。
2つの種類のWebデザイナー職
Webデザイナー職の求人には、大きく分けて2つの種類があります。
どちらのタイプのWebデザイナーを目指すか考えておきましょう。
なお、フリーランスのWebデザイナーになるという選択肢もありますが、今回はどこかの会社に勤務するという意味での働き方について解説します。
と言うのも、Webデザイナーの実務経験がない状態で、いきなりフリーランスになるのはハードルが高いからです。
まずは、会社に勤めて実務のイロハを学んでから、フリーランスになるのがおすすめです。
制作会社のWebデザイナー
制作会社や広告代理店などで働くWebデザイナーで、クライアントのWebサイトやランディングページ等を制作します。
一般的にWebデザイナーと聞いてイメージする職業がこちらのタイプですね。
請負制作という業務の性質上、納期前に残業が多く発生したり、時には急な対応を依頼されたりと、割とハードワークになりがちな仕事でもあります。(会社にもよる)
その代わり、日々様々なWeb制作を手掛けるため、デザインやコーディングなどの実務スキルは鍛えられます。
Webデザイナーとしてのスキルアップを重視したい人は制作会社のWebデザイナーになるのがよいでしょう。
インハウスWebデザイナー
企業の自社サイトの制作・更新・運用などを行うのがインハウスデザイナー(社内デザイナー)です。
インハウスデザイナーの勤め先は、大手企業やメーカー、Web系ベンチャー、EC通販会社、メディアサイトの運営会社などジャンルは様々です。
制作に限らずWeb周りの諸業務を行ったり、紙媒体のデザインなどのクリエイティブを担当することあります。
制作の仕事については、会社によってある程度フォーマットやテイストが決められていることが多いので、幅広くWeb制作のスキルをカバーするという点では制作会社の業務には及びません。
一方で、「自社サイトの運用からどうやって成果を出していくか」と言ったマーケティング的な側面について間近で見ることができます。
また、制作会社のようにクライアントの依頼や納期によって仕事を左右されることがないため、残業は比較的少なめです。(一般的な企業勤めと同じイメージ)
残業があまりできない人や、仕事とプライベートのバランスをとりたい人には、インハウスデザイナーの方が働きやすいです。
そのため、制作会社で経験を積んだ後、インハウスデザイナーに転職する人もいます。
逆に、制作のスキルを上げるために、インハウスデザイナーから制作会社のWebデザイナーに転向する人もいます。
Webデザイナー求人の探し方
Webデザイナーを募集している会社の探し方にはいくつかの方法があります。
やり方を絞って探すというよりは、複数の方法で併用して探すのがおすすめです。
Webデザインスクールのキャリア支援サービスを利用する
最近のWebデザインスクールは転職活動やフリーランス活動のためのキャリアサポートまで行ってくれるところが増えていて、提携企業を紹介してくれることがあります。
企業側からしても「〇〇のスクールで学び終えた」という一定の判断材料になっています。
スクールの利用者向けサービスですが、学習期間から関わってくれているため、自分のスキルや頑張りを理解してもらいやすいというメリットもあります。
転職エージェントで紹介してもらう
転職エージェントに登録して希望の条件などを伝えておくと、それに合った会社を見つけて紹介してくれます。
業界や企業等の情報提供、応募書類の添削、面接対策、企業への推薦、日程調整、交渉など様々なサポートをしてもらえるので、一人で転職活動を行うよりもかなりの手間と負担を省けます。
転職エージェントは非公開求人を扱っているため、普通に探しても見つからない求人案件が見つかるというメリットもあります。
無料で利用できるので、使わない手はないです。
転職サイト・求人サイトを使って自分で探す
最もオーソドックなのが転職サイト・求人サイトを使った方法です。
転職エージェントが担当者と二人三脚で進めていくのに対し、転職サイトを使った方法では自分のペースで進めていくことができます。
未経験者からの転職の場合は、実務経験者の募集ほど求人数が多くないので、転職エージェントと転職サイトの両方を使って探すのもよいでしょう。
どういった内容・条件の求人情報が出ているかを知るのにも便利です。
知り合いなどから紹介してもらう
知人・友人に業界の人がいれば、そういった方から求人を紹介してもらうという方法もあります。
誰にでもあてはまるやり方ではありませんが、周囲にWebデザイナーを目指していることを伝えておくと、思わぬところから情報やお誘いが来るかもしれません。
もし会社に転職を志望していることを知られたくないなら、伝える相手を見極めましょう。
Webデザイナーの面接対策
Webデザイナーの面接でも、他の職種・業種と同じように一般的な面接対策をしておきます。
- 自己紹介
- 自分の長所・短所、強みなど
- 前職までの仕事への取り組みやその成果
- 転職の動機ややりたいこと
- 会社への志望動機
- 将来的な目標やビジョン
- 勤務条件に関すること
例えば上記のような項目が考えられます。
Webデザイナーはそれに加えて、ポートフォリオに関する質問や説明を求められます。
自分の作った作品についてきちんと説明できるようにしておきましょう。
特に、デザインについては論理的に説明できることが大切です。
デザインは思考するプロセスも重要だからです。
「感覚的にデザインしたのではなく、理由があってそのデザインになった」ということを伝えます。ポートフォリオを作る段階から意識しておきましょう。
Webデザイナーの面接時の服装
Webデザイナー職の面接でスーツ着用を指定されることはあまりなく、自由な服装でOKということが比較的多いです。
その場合はスーツを着ていく必要はありません。
デザイナー職だからと言って、自分の個性を強くアピールし過ぎたり、トリッキーな服装はしないほうがよいです。
TPOに合わせた身だしなみを心がけましょう。
例えば、デザイナーはオフィス内勤務がメインですが、クライアント先に訪問して打ち合わせをすることもあります。
たとえ自社オフィス内ではTシャツ・ジーパンといったカジュアルが許されていたとしても、クライアント先に出向く時は、相手に不快さを感じさせない身だしなみにした方がよいですよね。
それと同じことがあてはまるので、面接に相応しい格好で臨みましょう。
髪型はもちろん、男性なら髭、女性なら派手なネイルやお化粧などに気をつけて、清潔感を出しましょう。
いわゆるビジネスカジュアル・オフィスカジュアルとされる身だしなみと考えれば問題ないでしょう。
何かしらこだわりがあっても、さりげない程度にとどめておきましょう。
ブログ・SNSを転職に活用する
未経験からの転職の場合は、仕事への意欲や人柄といった部分も重視されます。
実務経験に伴うスキルが不足していることは当然であるからこそ、その人のポテンシャルを見る、というわけです。
そこで役に立つのがブログやSNSです。
制作物を公開したり、Webデザインに関する情報発信をします。
現役のデザイナーさんで発信をしている人は多く見かけると思いますが、未経験からWebデザイナーに転職したい人こそブログ・SNSを活用すべきです。
発信できることはそれだけで差別化にもなるので、ぜひ挑戦してみてください。
正社員ではなく派遣やアルバイトから始めてみる
「自分の実力にどうしても自信が持てない」
「転職活動が長引きそうだ」
もしそんな不安があるなら、未経験でも採用されやすい派遣やアルバイトから始めてみるのも有りです。
給料・福利厚生・社会的信用度・年齢のことなど、人それぞれに求めるものや捉え方は違うので、全ての人におすすめとは言いませんが、派遣やアルバイトでアシスタントから始めてWebデザイナーになるというのは普通にあるケースです。
実際に業界に入ってみて学べることや気付けることがあるので、まずは現場に入ってしまうこと、そして、自分でも勉強を続けていけば、成長スピードは確実に速くなります。
アルバイトなら正社員登用制度を設けているところもあるし、派遣なら紹介予定派遣に応募するのもよいです。
いずれにせよ、現場に入ったら、社員採用または次の転職を見据えながら行動していきましょう。
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