全文転載による記事の寄稿をする時の注意点と利用法

たまにクライアントからこんな相談を受けることがあります。
『記事を転載させて欲しいというメールがきました。よく見かけるサイトですが、許可しても問題ないでしょうか?』

こんな依頼が来たら、
『記事を転載してくれるなんて儲けものだ!自分の記事が認められたようで嬉しい!』
と喜びたくなりますね。

しかし、記事の転載については、それを許可する前に一度よく考えてみるべきです。
今回は、全文転載による記事の寄稿についてどう対応するべきかを考えてみたいと思います。

SEOにおける重複コンテンツ問題の発生

全文転載をするということは、同じコンテンツがWeb上に複数存在することになります。
SEOで言う「重複コンテンツ」ですね。

例えば、検索結果の3位のページを読んで、次に4位のページを読もうとクリックしたところ、全く同じ内容の転載記事だったとなれば、ユーザーにとっては何の価値もありません。

そこで、複製された同じ内容のコンテンツは1つしか検索結果に表示しない、あるいは、1つを除いて順位が落ちるといったことが起こります。

転載されれば手っ取り早くアクセス増になりそうな期待をしてしまいますが、それが本当に良いのかどうかを見極める必要がありますね。

また、重複コンテンツを多く持っていると、そのサイト自体の評価にも影響します。

つまり、転載はSEO上のリスクを伴う行為だということです。

より評価の高いサイトが検索結果に表示される

実際にはどのような検索結果となるのかというと、より検索エンジンに評価されているサイトのページが表示されやすくなります。

  • 運用歴が長い
  • よく更新されている
  • 良質なコンテンツが多くある
  • コンテンツ数が多い
  • 被リンクを多く受けている

こういった指標がサイトに対する信頼性となり、重複コンテンツ発生時の検索結果にも影響します。

検索に上位に表示されやすくなるオーソリティとは

SEOでは、よくオーソリティという言葉が使われます。
オーソリティとは権威性のことで、特定の分野においてどれくらいの支持を得ているのかを示します。

例えば、国税庁のホームページは、「税」について書かれている他の多くのサイトやページから、参照元として紹介されていて、被リンクを多く受けています。

つまり、国税庁が発信する情報を多くの人が信頼し参考にしていると考えられますね。(行政機関なんだから当たり前だろ! というのは一旦置いてください。。。)

よって、国税庁のホームページは「税の分野において権威性がある=オーソリティ」と位置づけられるわけです。

重複コンテンツが表示されることもある

私も何度が見かけたことがありますが、重複コンテンツが検索結果で複数表示されることがあります。

これは、両者ともにオーソリティがあるなど、各サイトが相応に評価されている場合に起こるようです。

もし自分のサイトが高いオーソリティを獲得しているようなら、記事を寄稿したとしても、検索上位に表示される可能性はあります。

重複コンテンツ問題を回避する方法

重複コンテンツへの対応策として何ができるでしょうか?

最も確実性のある方法は、転載側の記事に noindex または canonical の指定をしてもらう方法です。
これらの指定をすれば、転載された記事は原則として検索結果に表示されなくなります。

ただしそれは、転載先のメディア側が、その記事からの検索流入を失うことを意味します。
そう考えると、承諾してもらうことは現実的には難しいでしょう。

寄稿する意味とメリットを理解する

寄稿を許可する、寄稿を依頼する、という行為には、互いにそれぞれのメリットがあります。
双方にとってのメリットから寄稿する意義を考えてみましょう。

自分の記事が転載されるメリット

まず自分の記事が転載されることのメリットですが、以下のようなことがあげられます。

  • 自分の書いた記事をより多くの人に見てもらえる
  • 認知度が上がったり、宣伝効果が得られる
  • ブランディングになる
  • 寄稿先メディアから自社サイトへのアクセス流入が見込める

効果の度合いはケースによりますが、他のメディアの力を借りることで、SEOによる自前でアクセスを集めることとは別のメリットがありますね。

寄稿を依頼するメディアにとってのメリット

次に転載する側のメリットですが、最も大きな理由は、良質な記事をコストをほとんど使わずに入手できる点でしょう。

メディアの使命は、読者をひきつける記事を掲載し続けることです。
多くのメディアは、広告収入によって運営しているので、アクセスを集めることは収益に直結しています。

そして、アクセスを集め続けるには、読者を惹きつけるコンテンツを発信し続ける必要があります。
魅力のあるコンテンツを発信し続けること、これはメディアを運営する上で常に付きまとう問題でもあります。

そこで、第三者の書いた面白いコンテンツを拝借できないかと考えるわけですね。

もしも、誰かの書いた記事が既にある程度シェアされているとしたら、それをそのまま転載することができれば、さらに大きく拡散していくことも、透けて見えるわけですね。

全文転載による寄稿の場合、「記事の質が既に担保されている」ことは大きな魅力です。

メディア側は良質な記事を獲得できる一方、寄稿者側はさらに多くの反響をもらえる、というメリットの構造です。

メディア側にとって、より多くのトラフィックを生む手段の一つとして、実績のある記事の転載は費用対効果が非常に良い方法ということです。

※運営方針は各メディアによって異なります。ここでは、あくまで記事の全文転載を行うケースで考えています。

ギブ・アンド・テイクだからSEOは犠牲にする覚悟が必要

寄稿すれば、重複コンテンツの問題は発生します。
かと言って、意図的に対策をすれば、メディア側のトラフィックが減ります。

全文転載の場合、どちらか一方を立てればもう一方は立たずと考えておかなくてはなりません。

ただし、検索結果が実際にどのように表示されるのかは、個々のケースによるので、やってみなければわかりません。もしかしたら、自サイトのコンテンツの方が、上の順位に来るかもしれません。

いずれにしても、相手のメリットを無視して故意に重複コンテンツを回避しようとすれば、それは虫の良い話となってしまいますね。

そのことは十分に理解しておきましょう。
モラルやマナーの問題ですね。

結局のところ、全文転載での寄稿は有りか無しか

重複コンテンツ問題を中心にして話をしてきましたが、SEOが全てではないと考えることもできます。つまり、

SEOを強くしたいのであれば転載は控えれば良い、
SEOを上回るメリットが見込めるのであれば転載OKとする

という判断で良いでしょう。
その判断は、マーケティング戦略やその時の状況によって変わってきます。

ベストな寄稿方法は新たに寄稿記事を書くこと

名の知れたメディアに寄稿することで得られるメリットはありますよね。

そのメリットを得て、なおかつ、SEOにも影響しないようにするには、転載ではなく寄稿用に新たに記事を書いて掲載してもらう方法がベストです。

それはそれで、メディアとの交渉が必要になるし、記事を書く労力など別の課題がありますが、今までリーチできなかったユーザーを獲得できるチャンスは見込めます。

無料で掲載してもらい、しかも都合よく甘い汁を吸おうと思うくらいなら、むしろ、費用を払ってでも専用の記事を寄稿するくらいの方が良いでしょう。

メリットが見込めそうなメディアをきちんと選定すれば、その価値は充分にあるはずです。

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