ビジネスをしていれば、大なり小なりアイデアを必要とする場面がたくさんあります。
アイデアは出そうとしてすぐ出てくるわけではないので、『アイデアを出すのが苦手だ』なんて思ってしまうかもしれませんね。
しかし、アイデアを出すのは能力や才能ではありません。
アイデアの出し方にはやり方があるんです。
目次
アイデアを定義できますか?
辞典で調べてみると、『思いつき、着想、考え』というように書いてあります。
アイデアの発想については、昔から様々な人が論じていますが、中でもジェームス・ウェブ・ヤングという方のアイデアの定義が有名です。
アイデアは既存の要素を新しく組み合わせたものに他ならない
『アイデアのつくり方』より
ということは、全くゼロからアイデアを発想するのではなく、どこかにアイデアの元となるものがあって、それを組み合わせることで、素晴らしいアイデアができるのですね。
誰でもアイデアを出せるようになるための3つの心構え
ユーモアを取り入れる
ユーモアを持つことは重要です。
ユーモラスな人というのは、人と違う視点を持っていたり、人が思いつかないことを口にしたりしますよね。
ユーモア思考を養うのにオススメなのが、お笑いやコメディです。
まさにちょっとずれた視点やとんでもない発想が笑いを生んでいますね。
『面白くしよう』『楽しくしよう』というポジティブな思考がユーモアに繋がっていきます。
他にも、音楽、映画、その他芸能エンターテイメントなどのクリエイティブや娯楽は、ユーモア思考を養うのに良いですね。
常識にとらわれない
アイデアは、常識にとらわれずに発想していいものであることを忘れないでください。
常識にとらわれず、たくさんの妄想をしてみましょう。
どんなにバカバカしいと思っても、思うだけはタダです。
それが本当にバカバカしいのか?
それとも斬新で優れたアイデアなのか?
それはアイデアを出してから判断しても遅くないはずです。
自分はアイデアメーカーだと思い込む
何事も「強く思う」ことから変わっていきます。
『自分にはアイデアを出せるのだろうか?』と思うのではなく、『自分はアイデアメーカーだ!』とポジティブな思考を持つようにしましょう。
そして、周囲からそう言われている自分を想像しましょう。
根拠のない自信を大いに歓迎しましょう。
その気になることから始めていきましょう。
なぜアイデアを出したいのかを明確にする
アイデアを出そうとした時に最初に考えるべきは、なぜアイデアを必要としているのか?をハッキリさせることです。
アイデアが必要ということは、何かしらの問題を解消したいからですよね。
その問題点を掘り下げて考えていきます。
要は、ボトルネックを見極める作業が最初のステップです。
『何かアイデアはないかなぁ?』と漠然と考えてしまうことがあります。
しかし、動機が曖昧だと、アイデアも抽象的で核心をついたものはでてきません。
まずは問題を分析をしてましょう。
5W1Hで問題を掘り下げてみる
Why
まず問題を解消したい動機や理由を明確にしていきましょう。
- なぜ問題なのか?
- 何のために問題を解消するのか?
- 目的は?
- 目標設定は?
What
物事、事象、行為と言った観点から問題を分析します。
- 問題は何?
- 問題のきっかとなることは?
- どんな状態が問題?
When
時間や時期、フローといった観点から問題を分析します。
- いつから問題?
- いつまで問題?
- どのタイミングでの問題?
- 時期による問題の差は?
Where
場所、空間、配置といった観点で問題を分析します。
- どこで問題になる?
- 問題の場所は?
- 問題の箇所は?
- 問題を引き起こす環境は?
Who
人についての観点から問題を分析します。
- 誰にとっての問題?
- 誰との間での問題?
- 誰に影響する問題?
How
方法、手段、ロジックといった観点から問題を分析します。
- どうやって問題は起こる?
- 違うやり方でも問題は起こる?
アイデア出しのために情報収集をする
問題がわかったらまずは情報収集です。
インターネット、メルマガ、図書館、新聞、雑誌、業界誌などなど、手に入る情報を揃えておきましょう。
効率よく情報が集まるようになるカラーバス効果
カラーバス効果という心理用語を知っていますか?
バス(Bath)は『浴びる』という単語で『色を浴びる』と言う意味になります。
例えば、家を出る前に『青いものを見つけよう』と決めて家を出てみると、いつも通っている道でも、今まで気づかなかっただけで、青いものをいくつも発見することができるでしょう。
もしあなたが iPhone ユーザーなら、ネットニュースを見ている時に『iPhone』という文字のあるニュースを自然と見つけてはいませんか?
しかし、あなたが Android ユーザーだったらどうでしょう?
『iPhone』と言う文字よりも『Android』という文字に、自然と目が行くようになるでしょう。
脳は、自分と関係のある情報や興味のあることに対して反応しようとするため、目的意識を持つことで情報をキャッチしやすくなります。
情報は幅広くかじっておくことも大切
- アイデアに直結しそうな情報
- もしかしたらアイデアと関係があるかもしれない情報
- アイデアとは関係ない情報
情報にも色々なタイプがありますが、「アイデアとは関係なさそうな情報」もなるべく先入観を持たずに接するようにしてみましょう。
雑多な情報に触れることで、発想に柔軟性がでてきたり、斬新なアイデアのヒントになることがあります。
必要に迫られてというよりは、日頃からなるべく色々なことに興味を持ってみて、少し情報の幅を広げてみると良いですね。
アイデアを書き出す
問題を意識し情報を集めていくだけでも、自然とアイデアを考えるようになっていきます。
頭の中に浮かんだアイデアは、どんどん頭の外に出していきましょう。
つまり、アイデアを書き出していく作業です。
それがどんなに些細なものでも、馬鹿げていることでも、他人には見せられないようなものでもOKです。
キーワードでも、一言でも、一文でも、疑問形でも、何でもOKです。
とにかく思いついたことは、できるだけ頭の外に出していきます。
アイデア出しの原則は「質より量」
アイデア出しの段階で質にこだわってはいけません。
むしろ、量を出すことでその中に質の良い物が混ざり込んでいたりします。
あるいは、質の良いアイデアに化けるものがあります。
一発一中ですごいアイデアを思いつくことはまずありません。
「質より量」をお約束としておきましょう。
アイデアは否定してはいけない
アイデアを考えたり書き出したりする時に、
『これはさすがにふざけてるんじゃないか?』
『こんなんでアイデアになるんだろうか?』
『大したことないアイデアだな・・・』
なんてことは考えないでください。
そういう思いが頭に入り込むと、思考に制限がかかり、アイデアはどんどんで出づらくなってしまいます。
細胞が活性化して血管が膨張するようなイメージで、どんどん思いつく限り、アイデアを出しまくってください。
アイデアを出すことと、アイデアの評価や取捨選択は必ず切り離して考えてください。
アイデアを組み合わせてみる
アイデアは既存の要素を新しく組み合わせたものに他ならないのであれば、アイデア同士を組み合わせるのもアイデアですよね。
単体のアイデア自体は原子みたいなものです。
水素と酸素が化合して水という液体になるように、ごくごく小さなアイデア同士でも組み合わせることで、新しい切り口のアイデアが生まれることがあります。
アイデアを出しきったと思ったら、アイデア同士を組み合わせてみましょう。
書き出したアイデアを眺めていると、『あれ?アレとコレをくっつけたら面白くね?』なんてひらめいてしまうかもしれません。
この作業は、アイデアを出してから少し日を置いてから行うと良いです。
「1日15分だけ眺めてみる」といった感じでよいので、気負わずにやってみましょう。
ここでおすすめするのは、アイデアをカード型のものに書いておくということです。
ポストイットでもOKです。
そうすると、カードをデスクに広げた時に、置き場所や並びを自由に変えることができますね。これが組み合わせのヒントになります。
なぜトイレやバスルームで突然ひらめくのか
歌手の槇原敬之さんは、よくトイレで曲を思いつくことがあるそうです。
その他にも『シャワーをあびている時に曲が思いつく』という話をよく耳にしませんか?
リラックスしていて、頭の中が無に近い(何も考えていない)ような状態の時に、ふっとひらめくことがあると言われます。
これは今まで蓄えてきた情報や問題を、脳が潜在意識の中で処理しようとしているからです。
つまり、『今まで散々考えてきた』という下地があったからこそ、ふとした時にひらめきが起こります。
いくらミュージシャンが『シャワーを浴びている時に曲が思いつく』からと言って、日頃全く作曲をしていない一般人が、いきなり曲を思いつくことはありませんよね?
もしかしたら、生涯を通して数回くらいはあるかもしれませんが(笑)。
同じように『アイデアを出そうと考えに考えた』過程を経験した脳だからこそ、ふとした時に探し求めていたようなアイデアが思いつくのですね。
だから、意識して考えている時にコレだというアイデアが出なくても、それは決して無駄ではないのです。
アイデアを選定し具体的にする
たくさんアイデアが出たら、アイデアを選定して、具体的にして採用するレベルにまで落とし込んでいきます。
- どんな形にしたいか?
- 本当に実現可能か?
- 具体化するためにやるべきことは?
- 新しく取り組むことは?
- テスト方法は?
- 予算はいくら必要か?
- 人的リソースはどれくらい必要か?
- 期間はどれくらい必要か?
- etc…
検証すべきことはビジネスアイデアによっても変わりますが、必要な検証項目を考えましょう。
SUCCESsでアイデアをチェックする
『アイデアのちから』で有名なSUCCESsの法則は、人の「記憶に焼きつく」優れたアイデアの共通点を法則化したものです。
記憶に焼きつくアイデアとは、『理解できる、記憶に残る、考え方や行動を変える効果がある』アイデアだと著者は定義しています。
SUCCESsは、6つのキーワードの頭文字をとって名付けられています。
アイデアを練る時や、アイデアをチェックする時に使えるリストです。
SUCCESsチェック | 相手に促す効果 |
---|---|
Simple(単純明快である) | (※一貫して重要。核となる部分を見つけて簡潔に伝える) |
Unexpected(意外性がある) | 関心を払う |
Concrete(具体的である) | 理解し、記憶する |
Credible(信頼性がある) | 同意する、信じる |
Emotional(感情に訴える) | 心にかける |
Story(物語性がある) | そのアイデアに基づいて行動できるようになる |
アイデアの出し方まとめ
アイデアを出して形にするまでの手順をまとめると、
- アイデアが必要な理由をハッキリさせる
- 情報収集をする
- アイデア(の元)を書き出す
- アイデア同士を組み合わせるなどしてアイデアを発展させる
- 一旦アイデアのことを忘れてみる(アイデアを寝かせる)
- 必要に応じて 3, 4, 5 を繰り返す
- ひらめいたアイデアを具体的にする
- アイデアを検証し形にする
ちょっとしたアイデアが欲しい時もあれば、商品開発のような大がかりなものまでアイデアの規模も様々です。
必ずしも全てのステップを実行する必要はなく、状況に応じて必要なステップを実行していきましょう。
中でも 1, 2, 3 のステップは重要です。
ちょっとしたアイデアなら、このステップを行うだけでもたくさん出てくることでしょう。
なんとなく『アイデアないかなぁ。。。』と悶々とするくらいなら、どこかのステップを実践してみてください。
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