サイトからページを削除することと、検索結果で該当のページの表示が消えることはイコールではありません。
検索結果からページが消えるのは、検索エンジンがページが無くなったことを認識してからなので、そこにタイムラグが生じます。
では、ページを削除し検索結果からも早急にすぐに消したい場合はどうしたらよいでしょう?
そんな時に利用するのがGoogleが提供するURL削除ツールです。
URL削除ツールはどうやって使うのか、どんな時に使うべきなのか、ツール利用時の注意点など、いざという時のために覚えておきましょう。
目次
URL削除ツールとは
URL削除ツールは、自分が所有するサイトのページ (URL) を検索結果で一時的に非表示にするツールです。
Google Search Consoleに登録している自サイトに対して利用できます。
会社の機密情報や個人情報、その他一般公開すべきでない情報等が誤ってインデックスされてしまった時などに、緊急措置として検索結果から削除するために使います。
URL削除のリクエストが処理されると、そこから約90日間、検索結果に表示されなくなります。
URL削除ツールの正しい使い方
URL削除ツールは一時的な措置であるため、サイト側の対処を何もせずに非表示期間(約90日)を過ぎてしまうと、再びページがインデックスされ、検索結果に表示され始めます。
これは、URL削除ツールがクロールやキャッシュ生成といったGoogleボットの動作を制限する機能ではないためです。
ツールでの応急措置と併せて、サイト側で適切な対処を選択します。
- ページを削除し 404 または 410 エラーを返す
- パスワード保護によるアクセスブロック
- noindexタグの記述を追加
URL削除の依頼方法
Google Search Consoleにアクセスしてサイトプロパティを選択したら、メニューで[Google インデックス]→[URL の削除]と移動します。
[一時的に非表示にする]のボタンを押して表示されるダイヤログに、検索から削除するページのURLを入力します。
URLの文字は正確に記入しましょう。
大文字と小文字の表記は区別されます。
[続行]をクリックします。
画面が切り替わります。
[URL: ]でページのURLに誤りがない確認します。
説明があるように、httpとhttpsのプロトコルの違いと、wwwの有無は無視されるので、最大4パターンのURLが削除されます。
削除されるURLパターン
http://example.com/page.html
https://example.com/page.html
http://www.example.com/page.html
https://www.example.com/page.html
[リクエストタイプ: ]のセレクトメニューで削除タイプを選択します。
[検索結果でページを一時的に非表示にし、キャッシュから削除する]は、ページとキャッシュの両方を削除します。ページを検索から除外するには、通常こちらを選択します。
[キャッシュからのみページを削除]は、ページそのものを削除するのではなく、キャッシュとスニペット(検索画面に表示される説明文)を削除します。
キャッシュやスニペットの情報が現在のページの情報と違っていて、その古い情報を消したい時にこちらを選択します。
[一時的にディレクトリを非表示にする]は、ディレクトリ単位等まとめてページ(URL)を非表示にしたい時に利用します。
ディレクトリの非表示となっていますが、URL一致の判定方法は前方一致です。
例えば、URLに「/dir」と入力した場合、「/dir/sub-dir」「/directory/article」「/direction」などのURLが全て一致と見なされ、検索で非表示になります。
「/dir/」のように末尾にスラッシュ ( / ) を指定すれば、ディレクトリとして限定できます。
リクエストタイプを選択したら[リクエスト送信]をクリックして完了です。
なお、検索から削除されるのはURL単位なので、ページが複数のURLを持つ場合は、URLごとに削除リクエストを追加します。
キャッシュとは、Googleに記録されている過去の時点でのページの情報です。
検索に表示されるURL(またはパンくずナビ)の横に表示される[▼]をクリックして表示されるプルダウンメニューの『キャッシュ』で表示することができます。

URLの削除依頼後の確認やキャンセル
[URLの削除]の画面に切り替わり、削除を依頼したURLが表示されます。
リクエストした直後はステータスが『保留中』となります。
処理が完了するまでには数時間〜1日程度かかります。
ステータスが保留中の場合は[キャンセル]を押せば、削除依頼を取り消せます。
削除リクエストが処理されると、ステータスは『削除されました』に変わります。
もし間違ってURLを削除してしまった場合は[再登録]ボタンをクリックすれば、90日を待たずに検索結果に復活させることができます。
再登録処理には数時間〜1日程度かかります。
古いコンテンツの削除ツールとの違い
URL削除ツールに似た機能に『古いコンテンツの削除ツール』があります。
どちらも、Googleの検索結果からの削除やキャッシュ・スニペットの情報更新を依頼するために利用します。
古いコンテンツ削除ツールがURL削除ツールと大きく違うのは、自サイト以外のコンテンツに対するリクエストができる点です。
このツールは、自分が所有していないサイトのコンテンツの URL の削除手続きに役立ちます。ページからコンテンツが完全に削除されているか、コンテンツが変更されてスニペットとキャッシュの削除を希望する場合にお使いいただけます。もしあなたがそのサイトの所有者であるならば、ウェブマスターツールの URL 削除ツールをご利用いただいたほうがより早く、より簡単です。
『自分が所有していないサイトのコンテンツの URL 削除プロセスを改善しました』より
上記の説明の通り、自サイトのコンテンツの削除依頼については、URL削除ツールを利用すればOKです。
古いコンテンツの削除ツールでは、他者のコンテンツの検索表示に関して、次のようなケースで利用することが考えられます。
- 検索結果からクリックしてページに飛んでみたら、既に削除されていて「ページが見つかりません(404 Not Found)」となっていたので検索結果から削除してほしい
- 現在のページコンテンツと検索結果のスニペットが一致しておらず、紛らわしいので改善してほしい
- サイトオーナーに問い合わせて個人情報などの不適切な情報をページから削除してもらったが、キャッシュには残っているので削除してほしい
URL削除ツールの利用にあたっての注意点
いざという時誤った使い方をしないよう、ツール利用にあたって注意すべき点も理解しておきましょう。
削除したページに逐一利用しない
URL削除ツールはページを削除したことを伝えるためのツールではありません。
なので、ページを削除したからといって、逐一ツールを利用することはありません。
クローラーが存在しないページURLにアクセスした時、404エラーが返されていれば、Googleボットに認識されて、検索結果からも自然と消えていきます。(noindexを設定した時も同様です。)
あくまで、緊急で検索結果から非表示にしなくてはいけない理由がある時に使いましょう。
『クロールエラー』レポートを気にしすぎない
Googleサーチコンソールの『クロールエラー』メニューには、404エラーになるURLが表示されます。
URLがいくつも表示されていると何となく気になってしまいますね。
しかし、『404の表示を消して画面をスッキリさせたい』という理由で、URL削除ツールを使うことはありません。
通常の404エラーが検索ランキングに影響することもありません。
非正規コンテンツの削除目的で使わない
検索結果に非正規のURLが表示されるという理由で、URL削除ツールを使わないようにしましょう。
意図しない非正規のURLが検索に表示されるということは、正しく正規化が設定できていない可能性が高いです。
正規URLをGoogleが正しく認識できれば、通常は検索結果のURLもそのうち変更されます。
URLの正規・非正規について、詳しくはURL正規化の記事をご覧ください。
ハッキングされたサイトで元からあるページに使わない
ハッキングされたサイト全体を検索結果から外すために、URL削除ツールを使わないようにします。
ただし、ハッキングされたことで勝手に生成されたURLについては、URL削除ツールを使って「検索に表示すべきでないページ」だとGoogleに伝えましょう。
ハッキングされる前から存在しているページ、つまり、サイトの復元後もインデックスさせるページについては、URL削除ツールで削除しないようにしてください。
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