最もメジャーなアクセス解析と言えば、無料で利用できるGoogleアナリティクスですよね。
あなたはGoogleアナリティクスを導入していますか?
そして、Googleアナリティクスの設定を正しく行えていますか?
導入はしているものの、『特にこれといって深く気にしていなかった』『あやふやだったけどひとまず設定したまま』なんて方も結構いるのではないでしょうか?
しかし、適切な設定ができてこそ、目的に沿った正しい計測もできるようになります。
これから導入する人も、何となくだったけどそろそろ見直したい人も、Googleアナリティクスの基本についてしっかり理解しておきましょう。
Googleアナリティクスの最も基本的な構成となる アカウント、プロパティ、ビュー の初期設定について解説していきます。
2017/11/30
デフォルトで表示されなくなった analytics.js トラッキングコードの取得方法 などについて追記しました。
目次
アカウント、プロパティ、ビューの構造
Googleアナリティクスは、アカウント、プロパティ、ビュー の3つの階層構造からなっています。
アカウントが上位階層、プロパティが中階層、ビューが下位階となります。
アカウントは必ず1つ以上のプロパティを持ち、プロパティは1つ以上のビューを持ちます。
Googleアナリティクスで言うアカウントは、Gmail と紐付いている Googleアカウントとは違うものなので混同しないようにしましょう。
アカウントは、ユーザーの管理や設定の変更履歴などを管理することができます。
会社など複数の人で利用する時に利用することも多いでしょう。
プロパティは、トラッキングコードの発行と管理、AdWords や AdSense などのツールとの連携を行います。Search Console とのリンクもプロパティ単位です。
トラッキングコードはプロパティごとに発行されることからもわかるように、計測するサイトやアプリ単位で作成するのがプロパティと言えます。
ビューは、プロパティで蓄積したアクセスデータを加工して表示する役割です。
Googleアナリティクスのレポート画面に表示されるのはビューデータです。

ビューは複数作ることができ、目的に応じて表示するデータそのものを制限することができます。
例えば、スマートフォンからのアクセスのみのデータ、特定の地域からのアクセスのみのデータ、といったように、特定の条件に合ったデータのみを抽出して表示するビューを作ることができます。
ビューを活用することで、分析がしやすくなり、細かな点に気付きやすくなります。
アカウント、プロパティ、ビュー の構造の捉え方は、基本的には次のように考えておけばよいでしょう。
- アカウント = 会社単位
- プロパティ = サイト単位(ドメイン単位)
- ビュー = 集計単位(分析単位)
階層 | 作成上限数 |
---|---|
アカウント | 100 ※無料で利用できるのは1アカウントにつき1か月あたり1000万ヒットまで |
プロパティ | 1アカウントにつき 50 |
ビュー | 1プロパティにつき 25 |
参照:
アカウント、ユーザー、プロパティ、ビューの階層構造 – アナリティクス ヘルプ
Google アナリティクス利用規約
アカウントの作成
Googleアナリティクスを利用するには、Googleアカウント(Gmailアカウント)が必要なので、持っていない場合は作成してから Googleアナリティクス にアクセスし、利用を開始します。
初めて利用する場合は、アカウントの作成から始まります。
[トラッキングの対象]で計測する対象を「ウェブサイト」か「アプリ」より選択します。
[アカウント名]を入力します。 基本的には会社名や屋号をしておけばよいでしょう。
[ウェブサイトの名前]と[ウェブサイトのURL]をそれぞれ入力します。
常時SSL化している場合はプロトコルで「https://」を選択します。
[業種]は、自分のビジネスに最も近いものを選びましょう。
設定したジャンルは、競合との比較が見れるベンチマークレポートの標準設定となります。
[レポートのタイムゾーン]で国を選択します。通常は「日本」にします。
[データ共有設定]に記載されている文章を確認します。
最初から全ての項目がチェックされていると思いますが、そのままでよいでしょう。
[トラッキングIDを取得]ボタンを押しアカウントを作成します。
トラッキングコードの挿入
2017年9月時点で Global Site Tag(gtag.js)という新しいタグが発行されるようになっています。
トラッキングコードの情報が表示されてるので、トラッキングコードをコピーしておきます。
画面を少しスクロールすると[analytics.js]という項目があるので、[analytics.js のトラッキングコードを表示する]をクリックしてトラッキングコードを表示し、コピーしておきます。
コピーしたトラッキングコードをWebサイトの全てのページに貼り付けます。
トラッキングコードは HTMLファイルの <head> 〜 </head> 内に記述します。
analytics.js では、</head> の直前に記述すればよいでしょう。
gtag.js では、<head>開始タグの直後に記述します。
2017/11/30 追記
現在、管理メニュー[プロパティ]→[トラッキング情報]→[トラッキングコード]で確認をしても、グローバル サイトタグ(gtag.js)のトラッキングコードのみが表示され、 analytics.js のトラッキングコードを取得できなくなっています。
analytics.js を利用したい場合は、下のコード記述例のトラッキングコードの箇所をコピーするか、Googleアナリティクス デベロッパー向けサイト を参考にしてください。
トラッキングコード内の ga('create', 'UA-XXXXX-Y', 'auto');
の行の UA-XXXXX-Y
の箇所はご自身のトラッキングIDに書き換えてください。
トラッキングIDは、管理メニュー[プロパティ]→[トラッキング情報]→[トラッキングコード]の画面上部に表示されています。
analytics.js の記述例<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>ダミーサイト</title>
<meta name="description" content="ダミーサイトです" />
<link rel="stylesheet" href="style.css" media="all" />
〜その他コード〜
<!-- Google Analytics トラッキングコード 始まり -->
<script>
(function(i,s,o,g,r,a,m){i['GoogleAnalyticsObject']=r;i[r]=i[r]||function(){
(i[r].q=i[r].q||[]).push(arguments)},i[r].l=1*new Date();a=s.createElement(o),
m=s.getElementsByTagName(o)[0];a.async=1;a.src=g;m.parentNode.insertBefore(a,m)
})(window,document,'script','https://www.google-analytics.com/analytics.js','ga');
ga('create', 'UA-XXXXX-Y', 'auto');
ga('send', 'pageview');
</script>
<!-- Google Analytics トラッキングコード 終わり -->
</head>
gtag.js の記述例<head>
<!-- Google Analytics トラッキングコード 始まり -->
<!-- Global site tag (gtag.js) - Google Analytics -->
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=UA-XXXXX-Y"></script>
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
gtag('js', new Date());
gtag('config', 'UA-XXXXX-Y');
</script>
<!-- Google Analytics トラッキングコード 終わり -->
<meta charset="UTF-8">
<title>ダミーサイト</title>
<meta name="description" content="ダミーサイトです" />
<link rel="stylesheet" href="style.css" media="all" />
〜その他コード〜
</head>
これで Googleアナリティクス の計測が開始されます。
念のため、[テストトラフィックを送信]をクリックしてからリアルタイムレポートを開いて、計測されているか確認をしましょう。自分でアクセスして確認してもOKです。
プロパティ設定
続いて、プロパティ設定を確認しましょう。
アカウントを作成すると、自動的にプロパティが1つ作成されます。
先ほどWebページに貼り付けたトラッキングコードは、自動で作成されたプロパティのものです。
管理画面 真ん中の列のプロパティメニューから[プロパティ設定]をクリックします。
[プロパティ名]は、アカウント作成時に入力した[ウェブサイトの名前]が設定されています。
[デフォルトのビュー]は自動で作成される[すべてのウェブサイトのデータ]というビューが選択されています。
[業種]は、アカウント作成時に入力したものが反映されています。
[詳細設定]のチェックボックスは AdWords 広告に関する設定です。
広告を利用している場合に、必要に応じてチェックしましょう。
ユーザー属性レポートとインタレスト カテゴリ レポートの有効化
機能をオンにすると、ユーザーの年齢や性別といった属性レポートと、ユーザーの興味関心に基づくインタレストカテゴリのレポートを利用できるようになります。

利用したい時は、 Google アナリティクスの広告向け機能に関するポリシー要件 を確認し、必要に応じてWebサイトのプライバシーポリシーを編集しましょう。
拡張リンクのアトリビューションを使用する
機能をオンにすると、ページ内のリンクのクリックを計測できるようになります。
Google Chrome の拡張機能をインストールして利用できます。
[ページ解析を開始]の項目はデフォルトのままでかまいません。
参考: Chrome 拡張機能「Page Analytics」 – アナリティクス ヘルプ
Search Console を調整
プライバシー保護の観点により、Google検索からの流入における検索クエリ(キーワード)をGoogleアナリティクス上で取得することはできません。
自サイトへのアクセスに繋がっている検索クエリを知る方法は、Google Search Console の『検索アナリティクス』機能だけです。
[Search Console を調整]からプロパティを紐付けすることで、Googleアナリティクス上で[検索アナリティクス]のデータを見ることができるようになります。
事前に Search Console の設定を行っておくとよいでしょう。
[Search Console を調整]ボタンを押して、画面が切り替わったら[編集]をクリックします。
Google Search Console の画面が開き、登録しているサイトが表示されます。
リンクするサイトのドメインをチェックをして[保存]を押します。
Search Console のプロパティと Googleアナリティクス のプロパティは一対一で紐付けされます。
複数サイトの 検索アナリティクス データを、Googleアナリティクスの1つのプロパティで取得することはできません。
レポートでユーザー指標を有効にする
オンにすると、 レポートにユーザー指標が追加されます。
従来のセッションを軸とした各指標のデータだけでなく、ユーザーを軸とした計測データが追加されます。
これにより、一部のレポート画面や計算方法が従来のものとの違いが出てくるので、これまでのGoogleアナリティクスのデータに見慣れている場合は、注意が必要があります。
なお、データそのものは加工されないので、オン/オフ を切り替えても大丈夫です。
最後に[保存]ボタンで、プロパティ設定を終了します。
参考:
ユーザー指標の識別方法 – アナリティクス ヘルプ
【速報】GAにこっそり増えていた重大な新機能「ユーザー指標」とは? 今すぐに有効にするべきか否か | 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座 | Web担当者Forum
ビュー設定
プロパティが作成されると[すべてのウェブサイトのデータ]というビューが自動的に作成されます。必要に応じて設定を加えましょう。
管理画面右列ビューメニュー内の[ビュー設定]の画面を開きます。
[ビュー名]には、そのビューでどんな条件のデータを抽出するのかがわかるような名前をつけます。
ここでは、特定の条件は指定せずに全てのデータを取得するビューを残しておきたいため、名前を『すべてのデモサイトのデータ』としておきます。
[ウェブサイトのURL]や[タイムゾーンの国や地域]は、アカウントまたはプロパティに準ずる値が設定されています。作成するビューによって必要があれば変更します。
プロパティを追加すると[すべてのウェブサイトのデータ]というビューが自動で作成されます。
名称が同じだとアカウント全体で俯瞰した時に区別しにくいため[すべてのデモサイト(サイト名)のデータ]とあえて名前を変更しています。
デフォルトのページ
トップページの計測を統一するための設定です。
例えば、
https://example.com/
https://exmaple.com/index.html
のように、Webサイトのトップページにアクセスした時に複数のURLが表示される場合、Googleアナリティクスでは別ページとして計測されます。
実際は同じページなのに、レポート上で分かれて表示されるとわかりづらくなってしまいます。
Webサイトの仕様を確認して、複数のURL表示がされる場合は設定しておきましょう。
入力欄には「index.html」や「index.php」など、ドメイン以下のファイル名を入力します。
ここで入力した設定は、サブディレクトリにも適用されます。
除外する URL クエリパラメータ
Googleアナリティクスでは、URLでページを判別しているので、URLにパラメータが付与されていると、それぞれ別のページとしてレポート上に表示します。
例えば、
https://example.com/page.php?sessionID=12345678
https://example.com/page.php?sessionID=56781234
https://example.com/page.php?sessionID=87654321
は別のページとして、すべてレポートに表示されてしまいます。
これらをまとめて https://example.com/page.php
としてレポートしたい場合に[除外する URL クエリパラメータ]を設定します。
入力欄には、パラメータ変数を入力します。
上の例で言うと「sessionID」です。
https://example.com/page.php?sessionID=87654321&?option=abcde
のように(「&」で区切られた)パラメータ変数を複数指定したい場合は、「sessionID, option」とカンマ区切りで変数を入力します。
どのパラメータを除外するのか、残すのかは、計測したい範囲によって変わります。
事前に確認をしておきましょう。
[除外する URL クエリパラメータ]は設定した時から適用され、過去のデータにさかのぼって適用されません。
通貨、ポットのフィルタリング
[通貨]は、 目標の値などで使われる通貨単位です。
[ボットのフィルタリング]は、検索エンジン等のロボットによるアクセスを計測されないようにします。原則チェックしておきましょう。
サイト内検索のトラッキング
サイト内検索を計測します。
サイト内に検索機能がある場合は、オンにしておくと良いでしょう。
レポートメニューの[行動]→[サイト内検索]などからデータを見れます。
機能をオンにすると表示される[クエリパラメータ]にパラメータを記述します。
パラメータはサイト内検索をしてみれば確認できます。
例えば、サイト内検索で『Googleアナリティクス』と検索した時に、
https://example.com/search?q=Googleアナリティクス
とURLが表示されていたら[クエリパラメータ]に「q」と入力します。
[URL からクエリパラメータを削除]にチェックをすると、パラメータ以下を除外して https://example.com/search
のようにまとめてレポートに表示されます。
ユーザーの検索クエリを計測しておきたい場合はチェックを外しておきましょう。
[サイト内検索のカテゴリ]は、サイト内検索に絞り込み機能がある場合に利用します。
オンにして表示される[カテゴリ パラメータ]にパラメータを入力します。
パラメータを除外して計測する場合は[URL からカテゴリ パラメータを削除] にチェックします。
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