Googleアナリティクスで自分のアクセスを除外する2つの設定方法

アクセスを正しく計測するためにやっておきたいのが、自分(自社)のアクセスを除外しておくことです。

大量のトラフィックがあるサイトなら数値に大きな影響はないでしょう。

しかし、アクセスがそれほど多くないサイトや運営初期の時期に自分のアクセスが計測いると、数値への影響が大きく、ともすればデータを見誤ってしまうことがあります。

そこで今回は、固定IPアドレスがある場合と固定IPがない場合(動的IPアドレス)の2つの設定で、自分のアクセスを除外する方法を紹介します。

固定IPアドレスを除外する設定

自分(自社)のIPアドレスをフィルタに指定してアクセスを除外します。

除外設定をするには固定IPアドレスを保有している必要があります。
動的IPアドレスの場合には設定できません。

IPアドレスとは、インターネット上の住所の役割をする一意の識別番号のことですね。

インターネットに接続するたびに自動的にIPアドレスが変わるのが「動的IPアドレス」、
常にIPアドレスが変わらないのが「固定IPアドレス」です。

一般的に、固定IPアドレスを持っているのは、法人のインターネット環境です。

小規模の会社や個人事業主の方は固定IPアドレスがないことがありますし、個人(自宅)の契約回線はほとんど動的IPアドレスです。(オプションで固定IPの申し込みできる場合あり)

固定IPアドレスを保有しているかどうかは、技術担当者やプロバイダに確認しましょう。

固定IPアドレスがない場合は、ユーザー(ブラウザ)単位のアクセス除外設定をします。

ビューメニューのフィルタ管理画面

ビューメニュー(またはアカウントメニュー)からフィルタ画面を表示して[フィルタの追加]ボタンをクリックます。

IPアドレスを除外するフィルタの名前と種類を設定

[フィルタ名]に任意の名前を入力し、
[フィルタの種類]
[定義済み]となっていることを確認します。

IPアドレスを除外するフィルタの設定

[フィルタの種類を選択]プルダウンメニューから[除外]
[参照元かリンクを選択します][IPアドレスからのトラフィック]
[式を選択します][等しい]を選択します。

[IPアドレス]入力欄に、自社の IPアドレス を入力します。

[保存]ボタンを押して作成します。

バックアップ用のビュー以外の全てのビューにフィルタを適用しておきましょう。

IPアドレスが複数ある場合は、同様の手順でフィルタを複数作成します。

反映までには少し時間がかかることがあります。

ユーザー (ブラウザ) 単位でアクセスを除外する設定方法

固定IPアドレスがない場合や、出先でのスマートフォン回線でのアクセス、自宅からアクセスする場合などは、通常通りアクセスは計測されてしまいます。

そこで、Googleアナリティクスのカスタムディメンション機能とビューフィルタを組み合わせて、ユーザー(ブラウザ)単位でアクセスを除外する設定を行います。

固定IPアドレスで除外できない自社のアクセスを除外したい場合にも有効な方法です。

設定は少々手間ですが、1つのプロパティ(サイト)につき、作成は1度で済みます。

解説するカスタムディメンションの記述形式は analytics.js の仕様のもので、最新の gtag.js の仕様ではありません。

カスタムディメンションを作成する

プロパティメニュー管理画面

プロパティメニューの[カスタム定義]内の[カスタムディメンション]をクリックします。

カスタムディメンション管理画面

[+ 新しいカスタムディメンション]をクリックして作成を開始します。

ユーザー範囲のカスタムディメンションを設定

『カスタムディメンションを追加』画面になります。

[名前]にわかりやすい名称を入力し、
[範囲]プルダウンで[ユーザー]を選択します。

[アクティブ]にチェックが入っていることを確認して[保存]ボタンで作成します。

カスタムディメンションのコード生成画面

『作成したカスタムディメンション』が表示され、サンプルコードが表示されます。

Webサイトの場合は[JavaScript (ユニバーサル アナリティスのプロパティのみで有効) ]のコードを利用します。

テキストファイルなどにコードをコピーしておきましょう。

[完了]ボタンで画面を閉じます。

除外ユーザー (ブラウザ) をセットするページを作る

Webサイト内にアクセス除外用のページを作成します。

このページにアクセスしたユーザーは、それ以降Webサイトにアクセスしても、計測されなくなります。

ページは空コンテンツでもかまいません。

検索エンジンに表示されないよう noindex の記述や robots.txt でクローラーをブロックしておきます。

さらに厳重に管理したい場合は、ベーシック認証をかけておいてもよいでしょう。

noindex の記述例
<meta name="robots" content="noindex, nofollow">
robots.txt の記述例
Disallow: /exclusion.html

ページを用意したら、まずGoogleアナリティクスのトラッキングコードを挿入します。

次に、トラッキングコード内の ga('send', 'pageview'); より前の箇所に、コピーしておいたカスタムディメンション用コードの記述を追加します。

ga('set', 'dimension1', dimensionValue); というように書かれている行を使用します。

'dimension1' の箇所は数字が異なることがありますが、ご自身の設定で表示されているままのコードを記述してください。

dimensionValue の部分は任意の名前に書き換えます。
ここでは仮に 'concerned' としておきます。

カスタムディメンションを追加したトラッキングコード記述例
<script>
  (function(i,s,o,g,r,a,m){i['GoogleAnalyticsObject']=r;i[r]=i[r]||function(){
  (i[r].q=i[r].q||[]).push(arguments)},i[r].l=1*new Date();a=s.createElement(o),
  m=s.getElementsByTagName(o)[0];a.async=1;a.src=g;m.parentNode.insertBefore(a,m)
  })(window,document,'script','//www.google-analytics.com/analytics.js','ga');

  ga('create', 'UA-XXXXX-Y', 'auto');
  ga('set', 'dimension1', 'concerned');
  ga('send', 'pageview');
</script>

カスタムディメンションを除外するフィルタを作成

ビューメニューのフィルタ管理画面

ビューメニューからフィルタ画面を表示して[フィルタの追加]ボタンをクリックます。

自分のアクセスを除外するフィルタを作成

[フィルタ名]にわかりやすい任意の名称を入力します。

[フィルタの種類][カスタム]にしてラジオボタンの[除外]を選択します。

自分のアクセスを除外するフィルタパターンを設定

[フィルタフィールド]プルダウンメニューから、先ほど作成したカスタムディメンションを選択します。
※カスタムディメンションの名称を検索フィールドに入力すれば出てきます。

[フィルタパターン]にトラッキングコードで書き換えた dimensionValue の値(ここでは concerned )を入力します。

最後に[保存]をしてフィルタを作成します。

カスタムディメンションを用いたフィルタは、アカウントメニューの[すべてのフィルタ]からは編集や管理ができません。(表示はされる)

なぜなら、カスタムディメンション自体がプロパティ単位で定義されているものだからです。

ですので、フィルタの作成と複数のビューへの適用は、ビューメニューの[フィルタ]から行いましょう。

除外セット用ページにアクセスする

除外ユーザーをセットするためのページを、ドメイン下の任意の場所にアップロードし、URLを入力してアクセスします。

必要に応じて、従業員の方や外部パートナー(Web会社など)に URLを伝えてアクセスしてもらいましょう。

アクセス除外設定用HTMLページ
アクセス除外対象者のみにアクセスしてもらうページのサンプル

ユーザーの除外設定と言っても、実際にはブラウザ単位での除外なので、スマホ・PC・タブレットと、なるべく多くの端末とそのブラウザでページにアクセスしましょう。

ただし、設定変更した時などに正しく動作するか、テスト計測をしたいケースがありますよね。
その場合は、解析担当者がテストに使うブラウザだけは除外しないでおきましょう。

これで完了です。
反映するまでには少し時間がかかることがあります。

除外設定が有効な期間は、最後にWebサイトにアクセスした日から2年間です。

ブラウザから「_ga 」という Cookie を削除すれば、再度アクセスは計測されるようになります。
もう一度アクセスを除外したければ、また除外セット用ページにアクセスします。

解説したアクセス除外者セット用のサンプルHTMLファイルを用意しました。
自由に編集してご利用ください。

サンプルページをダウンロード

コメントをどうぞ

  1. 自社アクセス(スマホ数台)を除外したくて調べていたところこちらのページに辿りつきました!
    画面画像やコードの記述例もあって分かりやすかったので、
    おかげさまで順調に設定をすることができたのですが
    除外されているかどうかは、どのように確認したら良いでしょうか?

    固定IPの場合はリアルタイムレポートで除外を確認できますが
    カスタムディメンションの方はリアルタイムレポートではアクセスがカウントされていたので
    設定がうまく行っているのか心配になりコメント送らせて頂きました。

    1. コメントありがとうございます!

      カスタムディメンションでの除外設定の場合、リアルタイムレポートには反映されてしまいますが、集計データからは除外されます。
      時間差はあるかもしれません。

      除外設定の確認には、フィルタを適用していないビューとPVなどの数値を比較するのがやりやすいと思いますよ。
      ビューの初期設定のポイントについては別記事で解説していますので、よかったらご覧ください。
      https://junzou-marketing.com/ga-view-filter-usage

      1. お返事ありがとうございます!
        別のフィルタで固定IPやテストサーバを除外済みでPVの数値が比較できなかったので
        新たに確認用の加工なしビューを追加しました。
        1日以上置いて反映を確認してみようと思っています。

        ア)固定IP、テストサーバ除外のビュー
        イ)カスタムディメンションのビュー
        ウ)何も設定してないビュー

        教えていただいた「ビューの初期設定のポイント」も拝見させていただきました。
        こういった時のためにも一切加工していない元のビューが必要なのだなと実感いたしました。

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