Googleアナリティクスを導入したら必ず設定しておきたいのが、コンバージョン (目標) の設定です。
実際にWebサイトがどれくらいの成果をあげているのか、そのデータを把握して活用していくことこそが、アクセス解析の大きな目的だからですよね。
また、目標設定はしていても、意外と設定していないことが多いのが、目標の値(金額)です。
なぜ目標の値を設定したほうがよいのか?
どうやって目標の値を決めたらよいのか?
という点も含めて、Googleアナリティクスでのコンバージョンの設定方法について解説します。
すでに設定が済んでいる方も、設定の見直しに役立ててみてくださいね。
目次
Googleアナリティクスで設定できる目標タイプ
Googleアナリティクスで設定できるコンバージョンの種類は4つあります。
- 到達ページ
- 滞在時間
- ページビュー数
- イベント
到達ページは、 特定のページにアクセスしたことをコンバージョンとします。
例えば、問合せ完了、メルマガ登録完了、決済(購入)完了などのページを目標に設定します。
Webサイトの主要なゴール設定とイコールになることが多く、最もよく使われる目標です。
滞在時間は、Webサイトの滞在時間をコンバージョンとして計測します。
滞在時間の目標を10分としたならば、10分以上滞在しているセッションをカウントしていきます。
滞在時間が長ければ、それだけユーザーの興味・関心を惹きつけていたり、コンテンツをしっかり読んでくれていると推測できますね。
ただし、Webサイト内で迷子になり、目的のページに辿り着けていないがために滞在時間が伸びていることもあり得るので、少し注意は必要です。
ページビュー数は、PV数をコンバージョンとします。
例えば、5ページ以上ページを遷移したセッション、というように目標を設定します。
滞在時間と同様、アクセスするユーザーの見込み度合いやサイトの回遊率、導線設計などの参考になります。
その逆に、サイト内で目的の行動を果たせずに、うろうろとページを遷移している可能性も考えられます。
イベントは、イベントの発生をコンバージョンとします。
例えば、リンクのクリック、ファイルのダウンロード、動画の再生など、Webサイト上でのユーザーのアクションを目標の達成としてカウントしていきます。
イベントを目標に設定するには、あらかじめ計測したい箇所にイベントトラッキングの設定を行っておく必要があります。
目標作成時の注意点とポイント
目標は1つのビューにつき20個まで作成することができます。
個々の目標は、目標ID (1~20) で管理され、目標セット (1 ~ 4) によってグルーピングされています。
レポートでは目標セットのグループごとに表示されることがあるので、目標の重要度や種類ごとに目標セットをまとめておくとよいでしょう。
目標IDも目標セットも、まだ使われていない番号であれば、自由に作成することができます。

目標は一度作成すると削除できないので、ビューメニューの[目標]から[記録]をオフにして計測を停止します。
目標設定が足りなくなったら、不要になった目標を編集して上書きするか、新しいビューを作成して目標を追加しましょう。
目標を編集した場合は、データの読み違いをしないよう、変更内容や日付をメモしておくとGoodですね。
タイプ別コンバージョン設定方法
4つの目標タイプごとのコンバージョンの設定方法を見ていきましょう。
特定のページヘのアクセスを目標にする設定(到達ページ)
ビューメニュー[目標]から[+新しい目標]をクリックします。
[目標設定]の[テンプレート]から設定したいコンバージョンと一致するテンプレートを選択します。該当するものがない場合は[カスタム]を利用します。
ここでは仮に、Webサイトからの問合せを設定するため、テンプレートの[問い合わせ]にチェックをします。
[続行]をクリックします。
[テンプレート]から選択すると、2番目のステップ[目標の説明]が自動で設定されるためスキップされます。目標の名前やIDなどの確認と編集を行いたい場合は、[目標の説明]をクリックすれば内容が表示されます。
[到達ページ]のプルダウンメニューから適切な条件を選択してください。
ここでは[等しい]を選択します。
テキスト入力欄にページのURLを入力します。
「example.com/cv1.html」が目標完了ページであったなら、入力欄には「/cv1.html」と入力します。
[値]をオンにすると、1コンバージョンあたりの金額を設定できます。
なるべく金額は設定しておきましょう。

[目標到達プロセス]をオンにすると、レポートメニューの『目標達成プロセス』画面上で、各ステップの遷移や離脱を確認できるようになります。
[名前]は、わかりやすい任意の名称やページのタイトルを入力します。
[スクリーン / ページ]は、プロセスのURLを入力します。
[必須かどうか]を[はい]にすると、そのステップを通過せずにコンバージョンページに到達しても『目標達成プロセス』メニューのレポートからは除外されます。
[別のステップを追加]ボタンで複数の通過ページを設定できます。
最後に[保存]で目標を作成します。
参考: 目標到達プロセス レポートとゴールフロー レポートの比較 – アナリティクス ヘルプ
[スクリーン / ページ]に入力したURLは[到達ページ]のプルダウンで選択した一致条件と同じ形式で判定されます。
プルダウンで[等しい]を選択しているならば、[目標到達プロセス]も[等しい]URLを記述し、[正規表現]を選択しているならばURLを正規表現で記述する、というようにします。
滞在時間を目標にする設定
[目標設定]で[カスタム]をチェックして[続行]をクリックします。
[目標の説明]画面で次の設定を行います。
- 任意の[名前]を入力
- [目標スロット ID]を選択
- [タイプ]より[滞在時間]を選択
[続行]をクリックします。
[訪問の滞在時間]に目標とする時間を設定します。
仮に、10分以上の滞在をコンバージョンとする場合は[分]に「10」と入力します。
※正確に10分0秒以上で設定するには「9」分「59」秒と入力。
任意で[値]に金額を入力します。
[保存]を押して作成します。
ページビュー数を目標にする設定
[目標設定]で[カスタム]を選択して[続行]をクリックします。
[目標の説明]画面で次の設定を行います。
- 任意の[名前]を入力
- [目標スロット ID]を選ぶ
- [タイプ]で[ページビュー数 / スクリーンビュー数]に選択
[続行]をクリックします。
[目標の詳細]画面で、[ページビュー数 / スクリーンビュー数]に数値を設定します。
仮に、3PV以上でコンバージョンなら、数値に「2」を入力します。
任意で[値]に金額を入力します。
[保存]を押して目標を作成します。
イベント発生を目標にする設定
[目標設定]で[カスタム]を選択して[続行]をクリックします。
(テンプレートの[メディア再生]はイベントタイプの目標です。)
[テンプレート]から選択すると、2番目のステップ[目標の説明]が自動で設定されるためスキップされます。目標の名前やIDなどの確認と編集を行いたい場合は、[目標の説明]をクリックすれば内容が表示されます。
[目標の説明]画面で次の操作を行います。
- 任意の[名前]を入力
- [目標スロット ID]を選択
- [タイプ]で[イベント]を選択
[続行]をクリックします。
目標に設定したい[イベント条件]を入力します。
[カテゴリ][アクション][ラベル][値]はすべて入力しなくても設定できます。
ご自身のイベントトラッキングの設定を元に入力しましょう。
[コンバージョンの目標値としてイベント値を使用]をオンにすると、イベントトラッキングのコードで設定した『値』を目標として設定できます。
トラッキングコード側に『値』が設定されていない場合は、目標の値も反映されません。
オフにすれば、別途コンバージョン用を設定することができます。
[保存]を押して作成します。
目標値 (コンバージョンあたりの金額) の算出方法
目標の「値」の金額は、できるだけ設定しておきましょう。
その方が、自社におけるWebサイトの経済的価値を視覚的に捉えることができるからです。
業種や販売モデルによっても違いますが、目標の値の金額を算出する一般的な計算式は次のような式になります。
取引あたりの平均売上金額 ÷ 売上発生に至るまでの平均目標達成数
Web上で売上が発生する eコマースサイトでもなければ、問合せや資料請求がWebサイトのゴールであることが一般的ですよね。
しかし、Webサイトから問合せがあったとしても、必ずしも全ての問合せが、その後の商談や売上に繋がるとは限りません。
例えば、以下のような実績があったとします。
- Webの問合せから商談に繋がる割合は50%
- 商談をして成約する割合は50%
- 取引あたりの売上金額は平均50万円
この場合は、コンバージョンである問合せを4件獲得できれば、50万円の売上獲得に繋がるという計算で考えることができますね。
これを「取引あたりの平均売上金額 ÷ 成約に至るまでの平均目標達成数」という式に当てはめると、
500,000 ÷ (0.5 x 0.5) = 125,000
となるので、コンバージョン1件あたりの金額的な価値は、12万5千円となります。
このように金額を算出して設定しておくと、アクセス解析のデータをより実情に即したものとして把握しやすくなります。
Webサイトの起ち上げ時などは設定値がわからないかもしれません。
ひとまず仮の数値を設定しておいて、データが蓄積されてきたら、実情に合った金額を設定するようにしましょう。
コメント失礼いたします。
参考になる記事をありがとうございます。
お忙しい中、申し訳ありませんが。 1点ご質問がありましてご連絡いたしました。
成約率を測定する方法でのサンクスページの確認方法について、お聞きできれば幸いです。
==測定したいこと
1・商品Aが実際に購入された成約率
2・アプリBの有料会員になった成約率
(商品AやアプリBは、自社作成ではなく、ASPを通して紹介したい案件です)
申し込みページへのクリック率ではなく、実際に成果が出た成約率を知りたいのですが、なかなかうまくいかず問い合せさせていただきました。
「サンクスページを確認し、グーグルアナリティクスで目標設定する」
の方法をする必要があるようですが
1・購入完了のサンクスページ
2・アプリ有料会員完了のサンクスページ
がわからない、設定できない場合、
どのようにサンクスページを確認、設置すればよろしいのでしょうか?
成約率の測定方法がわかりますと助かります。
つたない説明で申し訳ありません。
お忙しい中、大変申し訳ありませんが、お力をお貸しいただけますと幸いです。
お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます!
サンクスページへの到達を計測するには、そのページにGoogle Analyticsのタグが埋め込まれていることが前提となります。
ASP・アプリ側のページということなので、残念ながら今回意図されていることはできないと思います。
お役に立てず、すいません。